![Welcome To Ann Arbor [9] Journey to Freedom Bus Tour (2) <!--:en-->Welcome To Ann Arbor [9] Journey to Freedom Bus Tour<!--:--><!--:ja-->ようこそアナーバーへ【9】“Journey to Freedom” 地下鉄道バスツアーのご紹介<!--:--> 3](https://www.japannewsclub.com/wp-content/uploads/2012/11/a7a084707a05d741b8b64f023dbebcf9-696x906.jpg)
まだアメリカに奴隷制度があった時代(18-19世紀)、アナーバーと隣町のイプシランティには、南部から奴隷をデトロイト経由でカナダに逃がすUnderground Railroad(地下鉄道)と呼ばれた地下ルートが通っていました。鉄道という名がついていますが、実際は人が隠れられる様に改造した馬車が隠れ家のネットワークを転々と移動するものでした。当時の逃亡奴隷法(1850)は、逃亡中の奴隷を匿った者に対し$1000の罰金刑と6ヶ月までの懲役刑に加え、奴隷のオーナーに$1000ドルの支払いを命じるというペナルティを課していました。そんな中、有志が危険を冒しつつ、逃亡奴隷たちを昼間は自宅に隠し、夜中に北極星を頼りに移動させました。カナダには、逃亡奴隷をオーナーに引き渡す法律が無かったため、目的地になりました。
ここで紹介するバスツアーは、米国内務省国立公園局National Underground Railroad Network to Freedom公式ツアーのひとつで、今では民家として使われている隠れ家や資料館を巡ります。英語ガイドも付きます。日程は以下の通りです。
8月5日(2-5pm): 主にイプシランティの史跡を巡ります。
9月2日(2-5pm): アナーバーとイプシランティの史跡を巡ります。
10月7日(2-5pm): 未定
集合・解散場所: Washtenaw Community CollegeのIndustrial & Technical ビルディング前駐車場(無料)
移動: ゴールデンリムジンのバス
費用: $20(学生$15)で、当日集合場所にて集金します。
予約: African American Cultural & Historical Museum of Washtenaw CountyのDeborah Meadowsさんまで、メール(deborahmeadows2@msn.com)又は電話(734-819-8182)でお願いします。なるべく早めに予約されることをおすすめします。なお参加者が15人未満の場合はツアーがキャンセルされることがあります。
イプシランティのツアーには、Ypsilanti Historical Museumが含まれています。ここでは、地下鉄道有志の遺物や写真を観ることができます。その中の一人は、混血の農場主Asher Aray(写真)で、彼は隣人で白人のWilliam HarwoodとRoswell Prestonとともに運動に参加し、1853年に、馬車4台で移動していた逃亡奴隷28人を匿いました。同年、奴隷たちが無事にデトロイト川の対岸カナダに着いたことが、当時の新聞に記録されています。
それから10年後の1863年には、リンカーン大統領が奴隷解放宣言を発し、黒人が北軍に入隊できるようになりました。デンゼルワシントン主演のGloryという映画を観られた方もいらっしゃるかと思いますが、ミシガンでも、カナダから戻ってきた元逃亡奴隷やその息子たちを含む895名が黒人部隊を編成し南部の戦線へ赴きました。イプシランティのDepot Town近くのHighland Cemeteryには彼らの墓地がありますが、南北戦争の兵士が、肌の色を問わず共に埋葬されている所はここだけだそうです。当時、この地域が人権擁護という点で非常に先進的であったことが伺えます。希望があれば、この墓地を訪れることも可能であるそうです。
執筆者紹介:矢野健治(アナーバー観光局 日本語プロジェクト担当)
1998年よりアナーバー在住。2010年より、アナーバー地域コンベンション&ビジターズビューロー(略称:観光局)の日本語プロジェクト担当。英語担当:Mary Christianson。地域の魅力を読者に届けるコラムです。公式観光局日本語サイトはこちら:www.nihongo.visitannarbor.org
このコラム及び日本語サイトの内容に関するお問い合わせは、下記のメールアドレスにて承っております。
担当者:矢野 メール: nihongo@annarbor.org
写真提供:アナーバー観光局
まだアメリカに奴隷制度があった時代(18-19世紀)、アナーバーと隣町のイプシランティには、南部から奴隷をデトロイト経由でカナダに逃がすUnderground Railroad(地下鉄道)と呼ばれた地下ルートが通っていました。鉄道という名がついていますが、実際は人が隠れられる様に改造した馬車が隠れ家のネットワークを転々と移動するものでした。当時の逃亡奴隷法(1850)は、逃亡中の奴隷を匿った者に対し$1000の罰金刑と6ヶ月までの懲役刑に加え、奴隷のオーナーに$1000ドルの支払いを命じるというペナルティを課していました。そんな中、有志が危険を冒しつつ、逃亡奴隷たちを昼間は自宅に隠し、夜中に北極星を頼りに移動させました。カナダには、逃亡奴隷をオーナーに引き渡す法律が無かったため、目的地になりました。
ここで紹介するバスツアーは、米国内務省国立公園局National Underground Railroad Network to Freedom公式ツアーのひとつで、今では民家として使われている隠れ家や資料館を巡ります。英語ガイドも付きます。日程は以下の通りです。
8月5日(2-5pm): 主にイプシランティの史跡を巡ります。
9月2日(2-5pm): アナーバーとイプシランティの史跡を巡ります。
10月7日(2-5pm): 未定
集合・解散場所: Washtenaw Community CollegeのIndustrial & Technical ビルディング前駐車場(無料)
移動: ゴールデンリムジンのバス
費用: $20(学生$15)で、当日集合場所にて集金します。
予約: African American Cultural & Historical Museum of Washtenaw CountyのDeborah Meadowsさんまで、メール(deborahmeadows2@msn.com)又は電話(734-819-8182)でお願いします。なるべく早めに予約されることをおすすめします。なお参加者が15人未満の場合はツアーがキャンセルされることがあります。
イプシランティのツアーには、Ypsilanti Historical Museumが含まれています。ここでは、地下鉄道有志の遺物や写真を観ることができます。その中の一人は、混血の農場主Asher Aray(写真)で、彼は隣人で白人のWilliam HarwoodとRoswell Prestonとともに運動に参加し、1853年に、馬車4台で移動していた逃亡奴隷28人を匿いました。同年、奴隷たちが無事にデトロイト川の対岸カナダに着いたことが、当時の新聞に記録されています。
それから10年後の1863年には、リンカーン大統領が奴隷解放宣言を発し、黒人が北軍に入隊できるようになりました。デンゼルワシントン主演のGloryという映画を観られた方もいらっしゃるかと思いますが、ミシガンでも、カナダから戻ってきた元逃亡奴隷やその息子たちを含む895名が黒人部隊を編成し南部の戦線へ赴きました。イプシランティのDepot Town近くのHighland Cemeteryには彼らの墓地がありますが、南北戦争の兵士が、肌の色を問わず共に埋葬されている所はここだけだそうです。当時、この地域が人権擁護という点で非常に先進的であったことが伺えます。希望があれば、この墓地を訪れることも可能であるそうです。
執筆者紹介:矢野健治(アナーバー観光局 日本語プロジェクト担当)
1998年よりアナーバー在住。2010年より、アナーバー地域コンベンション&ビジターズビューロー(略称:観光局)の日本語プロジェクト担当。英語担当:Mary Christianson。地域の魅力を読者に届けるコラムです。公式観光局日本語サイトはこちら:www.nihongo.visitannarbor.org
このコラム及び日本語サイトの内容に関するお問い合わせは、下記のメールアドレスにて承っております。
担当者:矢野 メール: nihongo@annarbor.org
写真提供:アナーバー観光局