<!--:en-->14th Detroit Open Kendo Tournament<!--:--><!--:ja-->第14回 デトロイト・オープン剣道トーナメント<!--:--> 3

~ 日本の伝統武道継承を支える意義 ~

 2月19日(日)、ノバイ高校体育館にて、デトロイト剣道道場主催の第14回デトロイト・オープン剣道トーナメントが開催されました。このトーナメントは毎年2月に行われており、全米各地やカナダの剣道道場から多数の剣士が参加する大きな規模のものです。14回目となる今年の大会には、昨年とほぼ同数の約220人が参加し、朝9時の試合開始から夕方6時までの長時間にわたり熱戦が繰り広げられました。

 準備や運営は、デトロイト剣道道場の先生方が中心になって行っていますが、道場の剣士の保護者が組織する父母会も縁の下の力持ちとしてお手伝いをしています。ここでは、父母会の一員として参加したトーナメントの様子や感想をリポートさせていただきます。

トップクラスの指導者の妙技に感動

 朝8時から始まった開会式では、デトロイト剣道道場の長である田川順照剣道教士八段による歓迎のスピーチ、在デトロイト日本国総領事館の松田邦紀総領事の来賓スピーチの後、恒例となっている日本から招聘したトップクラスの剣道指導者による形の実演が行われました。今年のゲスト指導者は、全日本剣道選手権に7回の出場経験を持つ二子石貴資剣道範士八段(園田学園女子大学講師)です。田川八段との刀を使った形の実演では、尊敬する指導者の素晴らしい妙技の一つ一つを吸収しようという多くの剣士たちの懸命なまなざしが注がれ、会場は演技を披露する指導者の居合の声以外は聞こえず、静まり返っていたのが印象的でした。

 また、午前の部と午後の部の間には、二子石八段と田川八段に加え、日本から参加した藤崎興朗剣道教士八段と藤崎明美剣道錬士七段とによる模範稽古が披露されました。剣士たちは指導者たちの無駄な動きのない攻め、すきのない守りなど絶妙な試合運びの一つ一つに見入っていました。

熱戦に次ぐ熱戦に試合時間も延長

 トーナメントは、午前中に個人戦の少年の部(11歳以下、12歳から15歳)、成人無段者の部、女子の部、初段の部、二段の部、三段の部、団体戦の少年の部が行われ、午後には個人戦の四段以上の部、団体戦の成人の部が行われました。試合時間は原則として3分間なのですが、勝負がつかない場合には、時間無制限一本勝負の延長戦になります。延長戦になるのは力が互角という場合も多く、なかなか勝負がつかないこともしばしばです。中には10分以上も戦い続けるケースがあるのですが、今回はそんな試合が続出していました。そのため、トーナメントの終了が予定時間を1時間以上もオーバーするということにもなりました。

 剣道の試合は礼に始まって礼に終わるというように、試合の前後の挨拶をしっかりと行います。勝っても負けてもそれは変わりません。勝負も大切ですが、お互いの力をぶつけ合って戦ったということが大切なのです。試合後の挨拶が終わると、お互いが相手に歩み寄り、握手し感謝の気持ちを表している光景をよく目にしました。

 さて、トーナメントでのデトロイト剣道道場の結果ですが、少年の部では何個かのメダルを獲得(3位までに入賞)したものの、成人は個人、団体ともに振るわず、メダル獲得はなりませんでした。

トーナメントを支える裏方たち

 ここまでリポートしてきましたデトロイト・オープン剣道トーナメントの実施にあたっては、デトロイト剣道道場の先生方や剣士が中心になって準備し運営しています。先生方は毎週木曜と土曜に行われる稽古の指導もしてくださいますが、すべてがボランティアです。トーナメントの準備は大変で

 3か月前くらいから参加者募集、会場の手配、備品の準備、パンフレットの作成、運営費確保のための広告集めなどに仕事の合間を縫って奔走されています。

 トーナメント前日には、昇段審査やトーナメント参加者が集う合同稽古が行われるのですが、それらの運営も先生方の仕事です。(今年の合同稽古の講師は先述した二子石八段ですが、私が見ておりませんのでリポートは割愛させていただきます。)

 また、当日は会場全体の試合進行の確認、試合結果の収集などのほか、試合の審判もされています。さらに、午後の部では先生方自身も試合に出場しますので大忙しで、頭の下がる思いがします。本当にありがとうございます。

 私たち父母会は、そのような先生方の負担を少しでも軽減できればということで、受付業務や会場設営、そして当日の試合進行のお手伝いをさせていただいています。試合進行のお手伝いとは、試合の順番通りに選手を呼び出して、紅白のサイドの印のタスキをつけ、試合時間を計ったり、試合結果を記録したりするという仕事です。この仕事は一つの試合場に6~7人の人手を要するので、父母会のスタッフだけでは足りません。そのため、デトロイトりんご会補習授業校の中高生や大学の剣道部員にもお手伝いをお願いしています。休憩時間も少なく、約12時間にわたるハードなお手伝いですが、一生懸命やってくれるので助かっています。このほか、父母会では前日および当日の受付業務や、前日の会場設営もお手伝いしています。今年は前日の昇段審査と合同稽古をノバイメドウズ小学校で行ったため、駐車場や校舎入口での誘導も行いました。皆さんお疲れ様でした。

 最後になりますが、このデトロイト・オープン剣道トーナメントは、ここアメリカで、日本人以外の人種の剣士も集い、長年にわたり盛大に実施されているというところに大きな意義があると思います。日本の伝統的な武道である剣道をアメリカに暮らす日本人が受け継ぐこと、そして日本人以外の人々にも理解してもらい、より多くの国々へと広げていくことができれば素晴らしいことです。それは、剣士が剣道を通じて体得している礼儀などの日本の心が受け継がれ、広がっていくということと同じだからです。

 来年度から、日本の中学校の体育の授業では武道が必修となります。国としても武道を推進しようという表れです。この機会に剣道を始めてみませんか。デトロイト剣道道場に興味のある方は

Website: www.detroitkendodojo.com

をご覧の上、お問い合わせください。(デトロイト剣道道場父母会 丹羽筆人)

 

~ 日本の伝統武道継承を支える意義 ~

 2月19日(日)、ノバイ高校体育館にて、デトロイト剣道道場主催の第14回デトロイト・オープン剣道トーナメントが開催されました。このトーナメントは毎年2月に行われており、全米各地やカナダの剣道道場から多数の剣士が参加する大きな規模のものです。14回目となる今年の大会には、昨年とほぼ同数の約220人が参加し、朝9時の試合開始から夕方6時までの長時間にわたり熱戦が繰り広げられました。

 準備や運営は、デトロイト剣道道場の先生方が中心になって行っていますが、道場の剣士の保護者が組織する父母会も縁の下の力持ちとしてお手伝いをしています。ここでは、父母会の一員として参加したトーナメントの様子や感想をリポートさせていただきます。

トップクラスの指導者の妙技に感動

 朝8時から始まった開会式では、デトロイト剣道道場の長である田川順照剣道教士八段による歓迎のスピーチ、在デトロイト日本国総領事館の松田邦紀総領事の来賓スピーチの後、恒例となっている日本から招聘したトップクラスの剣道指導者による形の実演が行われました。今年のゲスト指導者は、全日本剣道選手権に7回の出場経験を持つ二子石貴資剣道範士八段(園田学園女子大学講師)です。田川八段との刀を使った形の実演では、尊敬する指導者の素晴らしい妙技の一つ一つを吸収しようという多くの剣士たちの懸命なまなざしが注がれ、会場は演技を披露する指導者の居合の声以外は聞こえず、静まり返っていたのが印象的でした。

 また、午前の部と午後の部の間には、二子石八段と田川八段に加え、日本から参加した藤崎興朗剣道教士八段と藤崎明美剣道錬士七段とによる模範稽古が披露されました。剣士たちは指導者たちの無駄な動きのない攻め、すきのない守りなど絶妙な試合運びの一つ一つに見入っていました。

熱戦に次ぐ熱戦に試合時間も延長

 トーナメントは、午前中に個人戦の少年の部(11歳以下、12歳から15歳)、成人無段者の部、女子の部、初段の部、二段の部、三段の部、団体戦の少年の部が行われ、午後には個人戦の四段以上の部、団体戦の成人の部が行われました。試合時間は原則として3分間なのですが、勝負がつかない場合には、時間無制限一本勝負の延長戦になります。延長戦になるのは力が互角という場合も多く、なかなか勝負がつかないこともしばしばです。中には10分以上も戦い続けるケースがあるのですが、今回はそんな試合が続出していました。そのため、トーナメントの終了が予定時間を1時間以上もオーバーするということにもなりました。

 剣道の試合は礼に始まって礼に終わるというように、試合の前後の挨拶をしっかりと行います。勝っても負けてもそれは変わりません。勝負も大切ですが、お互いの力をぶつけ合って戦ったということが大切なのです。試合後の挨拶が終わると、お互いが相手に歩み寄り、握手し感謝の気持ちを表している光景をよく目にしました。

 さて、トーナメントでのデトロイト剣道道場の結果ですが、少年の部では何個かのメダルを獲得(3位までに入賞)したものの、成人は個人、団体ともに振るわず、メダル獲得はなりませんでした。

トーナメントを支える裏方たち

 ここまでリポートしてきましたデトロイト・オープン剣道トーナメントの実施にあたっては、デトロイト剣道道場の先生方や剣士が中心になって準備し運営しています。先生方は毎週木曜と土曜に行われる稽古の指導もしてくださいますが、すべてがボランティアです。トーナメントの準備は大変で

 3か月前くらいから参加者募集、会場の手配、備品の準備、パンフレットの作成、運営費確保のための広告集めなどに仕事の合間を縫って奔走されています。

 トーナメント前日には、昇段審査やトーナメント参加者が集う合同稽古が行われるのですが、それらの運営も先生方の仕事です。(今年の合同稽古の講師は先述した二子石八段ですが、私が見ておりませんのでリポートは割愛させていただきます。)

 また、当日は会場全体の試合進行の確認、試合結果の収集などのほか、試合の審判もされています。さらに、午後の部では先生方自身も試合に出場しますので大忙しで、頭の下がる思いがします。本当にありがとうございます。

 私たち父母会は、そのような先生方の負担を少しでも軽減できればということで、受付業務や会場設営、そして当日の試合進行のお手伝いをさせていただいています。試合進行のお手伝いとは、試合の順番通りに選手を呼び出して、紅白のサイドの印のタスキをつけ、試合時間を計ったり、試合結果を記録したりするという仕事です。この仕事は一つの試合場に6~7人の人手を要するので、父母会のスタッフだけでは足りません。そのため、デトロイトりんご会補習授業校の中高生や大学の剣道部員にもお手伝いをお願いしています。休憩時間も少なく、約12時間にわたるハードなお手伝いですが、一生懸命やってくれるので助かっています。このほか、父母会では前日および当日の受付業務や、前日の会場設営もお手伝いしています。今年は前日の昇段審査と合同稽古をノバイメドウズ小学校で行ったため、駐車場や校舎入口での誘導も行いました。皆さんお疲れ様でした。

 最後になりますが、このデトロイト・オープン剣道トーナメントは、ここアメリカで、日本人以外の人種の剣士も集い、長年にわたり盛大に実施されているというところに大きな意義があると思います。日本の伝統的な武道である剣道をアメリカに暮らす日本人が受け継ぐこと、そして日本人以外の人々にも理解してもらい、より多くの国々へと広げていくことができれば素晴らしいことです。それは、剣士が剣道を通じて体得している礼儀などの日本の心が受け継がれ、広がっていくということと同じだからです。

 来年度から、日本の中学校の体育の授業では武道が必修となります。国としても武道を推進しようという表れです。この機会に剣道を始めてみませんか。デトロイト剣道道場に興味のある方は

ウェブサイトwww.detroitkendodojo.com

をご覧の上、お問い合わせください。(デトロイト剣道道場父母会 丹羽筆人)

 

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