2012年もあっという間に2月『如月』に入りました。皆さんの新年のスタートは如何でしたでしょうか?この冬のミシガンは例年より雪も少なくかなり暖かいですね。決して不平不満を言っている訳ではありません。寒がりの私には冬場何をするにも暖かい方がいいですが、早晩冬将軍がやって来るのでしょうね。

 さて、年明け早々スポーツ界では12年振りにNFLプレイオフに進出した地元デトロイト・ライオンズは残念ながら既に姿を消し、残るはスーパーボウル1試合のみとなりました。皆さんが本号をご覧になる頃にはチャンピオンが決まっているでしょう。プロ野球ではダルビッシュ投手のテキサス・レンジャース入団が決まり、今年の楽しみが一つ増えました。地元のファンはもちろん、テキサスに引越したり、試合観戦に出入りする熱狂的な野球ファンや日本人が増えるかもしれませんね。MLBのエースとの投げ合いや強打者との対決に手に汗握るだけでなく、経済効果も期待できそうです。他の日本人選手と共にシーズンを通して怪我や故障なく期待に応える活躍をして欲しいものです。また、タイガースに移籍が決まったプリンス・フィルダー選手も親父さんと同様の活躍を期待しましょう。

 さて、今回のテーマは『黒か白か?0(ゼロ)か1(イチ)か?』です。

 皆さんの身の回りや日常生活で最近「黒か白か?」とか「YesかNoか?」のように二者択一を求められたり迫られたりする場面に度々出くわしませんか?

 昨年の東日本大震災と同時に発生した福島原発事故の影響で「原発賛成か反対か?」とか某TV局の韓流番組偏重傾向が「是か非か?」、はたまた米国で現在進行中の大統領選挙や議員選挙の際の「共和党か民主党か?」などもその類ですね。

 ある日本のブロガーによると、「東日本大震災発生時やその後の救援・支援活動で大きな役割を果たし、貢献度も高かったTwitterは打ち込める文字数が140文字内という制限があるため、どうしても前提条件や補足説明の抜けた結論や要点中心のコメントになり、反対意見を封じ込めてしまう心配がある。」という主旨のコメントがありました。同意・同調しない少数意見が無視されたり、袋叩き状態になったりすることもあると聞いていますので、その人は民主主義の要諦である『少数意見の尊重』が忘れ去られることを少なからず懸念していました。

 原発の例をとっても、悪い点ばかりでなく良い点もあったので各地で建造され電力供給の一助となっていた訳ですから、ここでいきなり操業停止、全廃というのも極端過ぎる気がします。リスクや恩恵の差はあれ、原油やガソリンが埋蔵量、生産量に限りがあり、大気汚染や地球温暖化の弊害があるのですぐに採掘や使用を止めろ、というのと似たり寄ったりです。熟慮を欠いた性急な結論は誤りや想定外の問題の原因となり、極端な意見の対立は怒りや憎しみの原因となります。

 0か1かで判断・決定するコンピューター的思考処理プロセスと効率化追求の風潮がもたらした弊害かもしれませんが、もう少し別な考え方や意見があって然るべきと思います。価値の多様化が見られる現在、黒でも白でもないグレー(犯罪ぽい響きになりますが)とか、0でも1でもなく1に近い0.8とかがあっても良いですし、右でも左でもなく中庸を保つ真ん中とか柔軟な見方、考え方がより必要なのではないでしょうか?

 コンピューターと言えば、最近また世界一の処理スピードで話題になった『京』のようなスーパーコンピューター(いわゆるスパコン)の開発で仕分け作業の際に「2番じゃいけないんですか?」と発言した大臣が居ましたね。1番を目指しても必ず1番になれる訳ではなく、2番、3番になることもあるので、最初から2番狙いでは4、5番に甘んじる羽目になりかねません。メーカーが不良率ゼロを目指しても0.5%とか1%の不良が出るのに「2~3%の不良は出ても仕方がない」と諦めたら5%も10%も不良が出るのと似ています。そう言えばその大臣はその後自分が仕分けされてしまいましたね。(笑)

 皆さんも仕分けされないようにご自分で事実を正確に捉え、色々な角度から良く見て考えると同時に他人の意見を尊重し、「和して同ぜず」の精神でご対応下さい。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。