当地に在住する日系/日本人女性たちによるJSD ウィメンズクラブ(以下ウィメンズクラブ)は、地元コミュニティーに対して様々な形で日本を紹介し理解を深めてもらう活動をしている。それに加え、情報を交換し、互いに助け合い生活をより安全に楽しめるように支えるということを目的として1991年5月に発足した。発足以来、最も重要な活動として位置づけている地域交流は、主に伝統文化の紹介という形で、地元の学校や地域団体の要請に応じてたびたび実施している。

  5月と6月に行われた文化紹介の一部を取材させていただいた。

  5月4日、ノバイ市にあるFox Runリタイアメントコミュニティ(シニア向け住宅などの総合施設)にて茶の湯を実演披露。今回の実演に携わったコーラーさんが当施設に居住している日本人女性とかねてより親交があり、依頼が入ったとのこと。茶の湯の実演の前に、日米関係がぎくしゃくしていた時期に日本の文化紹介と交流のためにウィメンズクラブが立ち上げられ、一昨年には25周年を迎えたことが伝えられた。

  実演中には茶道具や茶の湯の所作の説明だけでなく、様々な情報を提供。茶の湯で使われる抹茶の原料は紅茶と同じ茶葉であるが、抹茶は茶葉を直接採取し挽いて粉末にしたものであり、葉の栄養がすべて取り込めることにも言及。茶碗の正面を相手に向け、飲む折にはそれを避けるといった礼儀など日本的な心遣いについても処々触れた。

参観者たちは所作に見入り、お点前の後には、「茶器の前の竹は何のためか」などの質問が続々と上がった。また、参観者は全員女性とあって、着物や御茶碗の柄に高い関心が寄せられ、帯の柄・形をとくと見るために、後ろ姿を見せて欲しいとのリクエストも寄せられていた。一人の参観女性から「お茶を点てる人は飲まないのね」と感想がもたらされた。コーラーさん曰く、文化紹介は自分たちの文化や習慣を見直す機会になり、勉強にもなり面白いのだとのこと。

  6月4日にはノバイ市のシニアセンターにて茶の湯と着物着付けを実演披露。茶の湯の披露は前回より多数の参観者を迎えたが、お点前の静寂さに合わせて静かに興味深く一挙一動に目を向け、進行役の解説に耳を傾けていた。「茶の湯では世間話やゴシップ会話はしない。交わされるのはお茶を勧めることばや、この日の茶道具などについてだけ」とのMC役の説明に、驚きを交えた声がもれていた。後半は、着付けのデモンストレーションとして、振袖の帯を結ぶ手順を披露。一本の長い帯が手際よく折り畳まれ見事な形に整えられていく様子を注視していた。振袖の着付けは特別な訓練をして資格を得た人にしかできないとの説明に多くの参観者がさもあらんと頷いていたが、茶の湯実演に携わった女性たちが帯(お太鼓結び)を含めて着物を自分で身に着けたことに、さらに感心していた。

  シニアセンターでの実演披露はノバイ市のOlder Adult Servicesからの依頼を受けてのこと。ウィメンズクラブには一年を通して数多くの依頼が舞い込み、今年3月から6月上旬までに前述の実演のほか、下記イベントを含めた十件超の日本文化紹介を有志の女性たちがこなした。

  • 3月4日 デトロイト美術館 ひな祭りイベントにて、茶の湯披露・女の子の着物着付け
  • 3月8日、10日 Washtenaw Community College (Ann Arbor)にて、折り紙
  • 3月11日 ミシガン日本語クイズボウルにて、 茶の湯披露・浴衣の着付け・折り紙
  • 3月22日 NHK Internationalの依頼で、茶の湯披露
  • 4月12日 Wayne County Community College Districtの依頼で、紙芝居・折り紙
  • 4月15日 EMU Japanese Culture Festivalにて、茶の湯披露
  • 4月17日 Novi High School 日本語クラブの依頼で、茶の湯披露
  • 4月21日 Wayne County Community College District Down River Campus “Bridge to Asia”にて、茶の湯披露・着物帯締め披露
  • 5月17日 BBNC Japanese Conversation Group “International Fashion Show”にて、 着物貸出・着付け
  • 6月1日 St. John Fisher Chapelにて、茶の湯披露・風呂敷包み披露
  • 6月9日 Inn at Cass Lakeにて、茶の湯披露・風呂敷包み披露

  このように、学校や教会、コミュニティーが日本の文化に関心を寄せ、ウィメンズクラブの才能ある人々がその紹介を担い、日本の理解を図ると同時に地域の人々と直に触れ合い交流を深めている。

ウィメンズクラブの変革期となった本年度総会

ウィメンズクラブは27年目を迎えた。去る3月末に定期総会が行われ、その時点での会員総数は 125 名。今年の総会では、時代の変化とニーズに応えて、変革がなされた。今年度よりウィメンズクラブは年会費徴収を廃止。クリスマスパーティー等の運営委員が主催していた会員交流活動を会員が主体となり行える体制づくりを目指すことになり、その影響により同好会活動に変化がでた。

  運営委員数の減少に伴い、ウィメンズクラブは日本文化紹介地域交流(以下地域交流)を主な活動とする団体として規模を縮小。運営委員は同好会や会員主体の会員交流活動をサポートしてゆく。運営委員は「地域交流を通して近郊に根付いた日本文化への理解は、地域交流活動に常日頃ご協力くださる会員の皆さまのご尽力によるものと感謝しております。地域交流におけるウィメンズクラブの存在意義を心に留めて活動を行ってまいりたいと思います。これからもご協力の程、どうぞ宜しくお願い致します。」と同クラブのネット配信会報のなかで語っている。

  また、今年1月に新しく「日本文化に親しむ会」同好会が発足。毎月テーマを変えて色々な日本文化に触れてゆくとのこと。3月には炉の手前と薄茶点前の体験、4月には折り紙講習会で桜玉作り、5月には写経書道体験にいそしんだ。 「日本人でありながら、実はよく知らない日本文化がありませんか。気になったらこの機会に是非体験なさってください」と参加を呼び掛けている。

  同好会としては他に、トランプゲームのブリッジを楽しむ「ブリッジ同好会」、コーラス同好会「トリリアム」、そして、0〜4才のお子さんがいるお母さんや妊婦さんたちが活動している「カンガルークラブ」があり季節や行事に合わせた活動や交流を行なっている。

JSD Women’s Club

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