今年も既に半分過ぎましたが、皆さんの上半期は如何でしたでしょうか?一年の計、今年の抱負は予定通り順調に進んでいますか?それとも早々に頓挫して諦めてしまったか、計画変更して仕切り直していますか?ミシガンも先月末から異常な暑さが続いていますが、まだ残り半年程ありますので、お互い簡単に諦めずに頑張りましょう。

目下ロシアで開催中のサッカーワールドカップでは日本代表チームが3戦全敗もあり得ると言われていたGL(グループリーグ)をぎりぎり突破し、16強で争う決勝トーナメントに2大会ぶり3度目の進出をしました。7月2日の次戦は優勝候補の一角ベルギーが相手で戦前予想は当然ながら圧倒的にベルギー有利と見られていましたが、(本紙7月号発行時には結果が出ている筈)結果は如何に?GL最終の対ポーランド戦は

終盤0-1でリードされていながら、残り10分程の間点を取りに行かず自陣でパス回しして時間稼ぎしていた日本代表チームにスタンドからブーイングが起こり、海外メディアの多くから酷評され、日本国内でも賛否両論あったようですが、私個人的にはあれがベストの選択であったと思います。前評判は決して芳しくなかった日本代表チームが初戦の対コロンビア戦勝利の番狂わせを演じ、続く対セネガル戦はスリリングな好試合で互いに譲らず2-2の引き分けと予想外の大健闘で内外サッカーファンの心を掴んだ後だけに、第3戦終盤の消極的プレーが余計に際立って落胆させてしまったようです。「名誉を重んじるサムライの潔さがない。もう応援しない」とまで言われてはGL突破の喜びも半減でしょう。確かに白熱した試合、華麗なプレー、上質のエンタテイメントを求める観客やTV・ネット中継の視聴者には物足りないのは当然ですが、責任当事者の西野監督としては、同時進行中のコロンビア対セネガルのスコア状況も睨みながら、あの時点で何を最優先するか、そのためにリスクを最小化する手段は何かを瞬時に考え決断したもので、求めるもの、目指すものが見る側とは異なっていたのは致し方ない事です。守備的な弱者の戦略ではなくアグレッシブな守備から攻撃をモットーとした西野監督としては忸怩たる思いも少なからずあったと思いますが、時として『進まぬ勇気』や『踏み止まる勇気』が最良の選択になる場合があり、あの試合は正しくそうでした。インターネットの弊害で今は一億総評論家の時代、傍から見ている我々があれこれ批評するのは簡単ですが、現場の責任者は大変です。もし、あの試合がGL突破の可能性が全くない最終戦だったら、日本代表チームはそれこそ名誉のために試合終了の笛が鳴るまで死に物狂いでゴールを目指し、全力で点を取りに行ったと確信します。対ベルギー戦はベストのプレーで再び感動と海外ファンを呼び戻せたならいいですが。

同じ7月2日からテニスのメジャー第3戦ウィンブルドン大会が始まりました。先のフレンチオープン女子シングルスではシモナ・ハレプ選手がメジャー決勝4度目の正直で悲願の初優勝。パワーヒッターでない小柄な彼女がコート中を走り回り、ボールを拾いまくる姿は見ている者の胸を熱くします。初優勝の喜びは言葉に表せない程感極まるものだったに違いありません。男子シングルスでは大本命のナダル選手が11度目の優勝で幕を閉じましたが、今回フェデラー選手が参戦する芝コートの大会はどうなりますか?日本の錦織圭選手、大坂なおみ選手他男女選手にも頑張って欲しいですね。

MLBではLAエンジェルス大谷選手が先月早々に右腕の怪我で離脱してしまいました。「フルシーズン怪我・病気なくプレー出来ますように」という願いが届かず、最も心配していた事が起きてしまい大変残念です。今のところ1年以上棒に振るトミージョン手術を行わず緩和療法で様子を見ながら次のステップを決めるようですが、投げるのは今シーズンほぼ絶望的でも打つ方は何とかなりそうとの事で先月末から打撃練習を開始したのは一つ明るいニュースですが、野球界のみならずスポーツの世界で唯一無二に近い貴重な存在であり、類まれな才能の持ち主なので、決して無理をしないで欲しいものです。

さて、今回のテーマは「大山鳴動して・・・」です。

「大山鳴動してネズミ一匹」という諺がありますが、先月6月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談は「大山鳴動して紙切れ一枚」の有様でした。トランプ大統領がその直前にカナダで開催されたG7サミットに「(関税問題に関する)説教を聞きたくない」と行きたがらず、結局数時間も遅刻していやいや参加したものの各国首脳とろくに協議もしないまま早々にシンガポールに向かい、世界中が注目した鳴り物入りのトップ会談でしたが、竜頭蛇尾と言える程実質的・具体的成果のない茶番劇に終わってしまいました。署名した合意書は北朝鮮だけでなく、在韓米軍を含む朝鮮半島と沿岸海域の非核武装化がメインですが、北朝鮮側非核武装化の具体的な実施時期やその確認方法に関して詳細記述がなく、逆に米国側は韓国政府と事前協議・打診もなく唐突に毎年恒例の米韓合同軍事演習の中止、在韓米軍の引き上げ・撤退の可能性を示唆した内容で、その後の北朝鮮側の核関連の動きを見る限り、米側の北朝鮮体制

崩壊のシナリオや先制攻撃のリスクを回避して時間稼ぎ出来た北朝鮮側だけにメリットがあり、「これで北の核の脅威はなくなり、(米国は)安全になった。」という米側の独りよがりの自己満足に過ぎない状況です。首脳会談の冒頭の数十分間双方政権幹部を同伴せず、通訳のみ同席で極秘会談したようですが、ひょっとしたら「北朝鮮国内にトランプタワーホテルかカジノでも建てて金儲けさせてあげる」と金国家主席兼最高指導者に身分安全の保証と個人的な儲け話でも持ち掛けたのではないかと疑ってしまいます。

直近では、新たな関税引き上げ問題でカナダのトルドー首相と辛らつなツイートのやりとりをしたり、最大の貿易赤字相手国である中国を標的にするだけでなく最重要のEU諸国と仲間割れするような貿易摩擦まで引き起こしつつあるトランプ大統領と現政権は「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」ではなく自由・民主主義国家圏では「メイク・アメリカ・アローン」となりかねません。また、G7諸国よりも北朝鮮との対話やロシアのプーチン大統領との首脳会談を優先する態度は友達をなくす米国の世界的な信用低下、引いては国力衰退に間違いなく繋がる自殺行為と言わざるを得ません。

米朝首脳会談は元々トランプ大統領が深い考えもなくほんの気まぐれ的思い付きで言い出し、一度は取り止めになりかけた後に前号でも書いた如く『ひょうたんから駒』的に実施された経緯があり、トランプ大統領が「特に何か準備する必要はない。会えば最初の1分で相手が本気かどうか分かる」と発言していましたが、あれは彼自身真剣に何も事前に検討・準備していない、するのが面倒なのを誤魔化すための言い訳に過ぎず、結果はいつものように人気取りのスタンドプレーかリアリティーショーのように終始した格好で、その後米国では何もフォローのニュースも話題になっていません。

前号で『世界が動く6月』と題して記事を書きましたが、「大山鳴動して紙切れ一枚」のお寒い結果に終わり、米国民と世界中の期待を裏切ってしまいました。「こんなことなら、ワールドカップロシア大会の試合を観ていた方が面白い」と皆 さんから言われてしまいそうです。(汗)

トランプさん、本当に何とかならないものでしょうか?無理なお願いですかね?

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。