英国王室ハリー王子とメーガン・マーケルさんの華麗な婚礼の祝典が無事に済んで一息ついた先月末メモリアルデーの週末は異常な暑さが突然ミシガンを襲いましたが、皆さん熱中症、日射病などにならず健康に過ごされたでしょうか?例年ですと6月に急に暑い日があり、まだ暑さに慣れない体が驚いてやや変調を来たす事があったりしますが、今年は更に早いタイミングで記録的な暑さの襲来でした。私も連日アウトドアテニスに挑みましたが、日陰がなく照り返しの強いテニスコートは余計に気温が高く、土曜日の午前中は特に問題なかったものの日曜日の午後はさすがにヘタリました。何もしなくてもジワッと汗が出る気温の中ボールを打ち始めるとみるみる顔が火照って体温が上がり、息継ぎが苦しくなる程でした。最後の方は軽い熱中症の寸前だったかもしれません。運度不足解消、健康維持のためにやっている筈のテニスがこれでは体に悪い話になってしまいますね。多少の無理・無茶が出来た若い頃と違って年相応に自重せねばなりません。

このところ自宅周辺の芝生や木々も一気に緑が濃くなり、スプリンクラーの水撒き、芝刈り機の騒音とエンジンオイルの焼ける匂いと共にすっかり初夏の雰囲気です。週末だけでなく学校が夏休みに入るので、自宅の裏庭やキャンプ場などあちこちで米人が大好きなバーベキューシーンを頻繁に見かける時期でもあります。

本号発行の頃には5月最終週末から始まったフレンチオープンテニスが2週目に突入していますが、男子シングルスではクレーの王者ナダル選手が大本命。混戦模様の女子シングルスでは6人の選手に優勝と同時にナンバーワンランクとなるチャンスがあります。日本男子では手首の怪我からかなり復調した錦織選手、女子では大坂(先月号では綴りを間違え失礼しました。)選手がダークホース的にどこまで勝ち進めるか楽しみです。今月もう一つ世界的なスポーツイベントとしてオリンピックよりも視聴者が多い4年に一度のサッカーワールドカップロシア大会が開催されます。去る4月突然の前監督解任、新監督就任騒ぎがあった日本代表サムライブルーですが、先月末の対ガーナ戦テストマッチ後に23名のメンバーが最終確定し、大会開始までいよいよ秒読みに入りました。予選グループの他3チームは全て格上のため本選トーナメントへの勝ち上がりは正直厳しいですが、1勝2分けか1勝1敗1分け位で何とか勝ち上がれないか微かな望みを抱いています。泣いても笑っても結果が全てですが、チーム全員が日本代表の誇りを持って正々堂々悔いのないプレーをして欲しいものです。

MLBではLAエンジェルス大谷選手がそれこそ毎日のように日米のニュースメディアを賑わしているのは皆さんもご承知と思いますが、4月に新人として月間最優秀選手賞をもらった後5月に入ってからやや勢いが弱まり、現時点では打率が3割を割ってしまいました。投手としての登板機会もトロントブルージェイズ戦の4勝目の後はかなり間が開いてしまい、5月末のタイガース戦で5勝目なるかどうかでした。5月は指名打者として出場する機会が増えましたが、相手投手も予め入手した情報を分析して対策を練って臨んで来るのでそうそういつも打たせてもらえないですね。また、内野守備陣が大谷シフトを敷くため、通常ならセンターに抜ける強い当たりが2塁ベース近くで記録上ショートゴロになったりする不運も何度かありました。シーズン序盤が過ぎて小さな壁に突き当たり、多少の苦しみを味わっても、それをまた克服して成長する姿を見せてくれるものと期待しています。

さて、今回のテーマは「世界が動く6月」です。

既に新聞、TV、インターネットのニュースなどでご存知のように今月6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催される可能性があります。一度米国側(トランプ大統領自身)が取り止めを宣言した経緯があり、本当に実施されるかどうか最後の最後まで分かりませんが、実施されれば前代未聞の事で歴史上大きな出来事となり得ます。

気の早いトランプ親派や一部の支持層からは「トランプ大統領にノーベル平和賞を!」

の声も上がっていますが、そもそも両国首脳はそれぞれ大統領のツイッターと北朝鮮労働党の声明により北朝鮮の核開発、核実験、ミサイル発射テストに関して互いに過激な非難を応酬し、米国側の先制攻撃や北朝鮮側の在韓米軍攻撃あるいはグアム島駐屯米軍へのミサイル攻撃の可能性まで報道され、過去最悪の米朝関係と言われる一触即発の危機レベルまで悪化していましたが、去る2月に開催された平昌冬季オリンピック後の南北朝鮮首脳会談を契機に状況が大きく変わり、金正恩国家最高指導者のメッセージを携えて米国訪問した韓国政府幹部が米朝首脳会談の可能性を打診したところ、恐らく政権幹部や米軍関係者と事前打ち合わせをしないままトランプ大統領自身が「会ってもいい」といきなりツイートして周囲を慌てさせたものです。「米国大統領が会うと言う事は北朝鮮を核保有国と認め同じ土俵に上がって対等の立場で話をする事を意味する」と危惧して歴代大統領は共和党、民主党の別を問わず米朝首脳会談を回避して来たものですが、いとも簡単に会談OKの反応をされて一番驚いたのは米国政権幹部や米軍関係者または国連安全保障委員会常任国や米国の友好国首脳ではなく金正恩国家最高指導者自身だったのではないかと私は思っていました。それまでの両者間の過激な非難応酬合戦の状況からまさか「会談OK」の返事が来るとは予想していなかったのではないでしょうか?(後日日本で田原総一郎氏がブログで同じ様なコメントをしたのを読んで一人悦に入っていました。)

北朝鮮側としては、どうせまた「会談NO」の返事と追加非難のおまけが付いた反応ツイートが来るだろうと予想して、そうなったら「話し合いで解決するため会談を提案したのに米国側が断った」とか「韓国政府幹部が伝えたメッセージは北朝鮮の正式な会談打診ではない。韓国側の誤解か勝手な解釈だった」と非難のお返しをするつもりだったのかもしれません。実際にトランプ大統領が会談OKのツイートをしてから数日間北朝鮮側から何も反応がなく、ひょっとすると返事に驚いてどう反応すべきか困惑していたのではないかとさえ思ってしまいます。

いずれにしても、米国、北朝鮮のどちらにとってもいわば『ひょうたんから駒』のような予想外の展開で米朝首脳会談が実現されるならば、米朝間だけでなく日本、韓国、中国、ロシアを含む東アジア圏、引いてはイラン、イスラエルなど中東問題と合わせて世界全体の安全保障、軍事戦略上最大の懸念が払拭出来るかどうかが問われる極めて重要で画期的な出来事になるのは間違いありません。このところツンボ桟敷、蚊帳の外のような扱いを受けていた日本も米朝首脳会談前の今月7日に日米首脳会談が急遽行われる予定となり、国内問題で揺れている安倍首相には日本の立場や要望をしっかり表明し、米国側の理解を得てもらいたいものです。

現時点では全く予断・楽観は許されませんが、この米朝首脳会談が一時的で形式的、表面的なものに終わらず、平和的かつ友好的で有意義な継続的話し合いになる事を強く願うばかりです。

『世界が動く6月』、熱烈なサッカーファンの方々もワールドカップロシア大会の試合結果に一喜一憂するばかりでなく、米朝首脳会談とその後の動きにも大きな関心を持って頂きたいと思う次第です。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。