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腹話術師 いっこく堂 & マジシャン 緒川集人 スーパーライブ in Michigan
掲載日:2017.11.14 | イベントレポート

IMG_2943世界に名を馳せる腹話術師「いっこく堂」とマジシャンの世界中の大会で30回以上の優勝経験のある緒川集人氏が10月6日にノバイ市(Novi, MI)でコラボ公演を行なった。いっこく堂は当地には3度目の公演訪問となったが、さらにレベルアップ!進化し続けているパフォーマンスを披露した。

「いっこく堂」は、沖縄県出身。高校卒業後上京し、ものまねタレント、舞台俳優としての活動を経て、独学で腹話術を習得し、1992年より「いっこく堂」として活動開始。1998年頃からTV出演が増え、これまでにない、2体の人形を同時に操る腹話術や時間差の腹話術、唇を全く動かさない技術の高さ等で注目された。今年は芸能生活35周年。近年は、ものまねを

取り入れた腹話術で、さらに進化した芸を見せている。その活動は日本だけにとどまらず、世界18カ国30都市を巡り、その国の言語で公演を行い、‟世界中のファンを驚愕させ魅了したスーパー腹話術師”との高い評価を得ている。

緒川集人氏はMagician of the Year(年間を通しての、マジシャンの世界一の称号)を5回も獲得した実力者。10歳よりマジックを始め、14歳で初渡米、17歳で二度目の渡米時に、Midwest Magic Jubilee(セントルイス)の大会にて初グランプリを受賞したほど、若くして力を発揮し評価を得た。その後、多数の受賞に輝いている。アメリカLAを拠点に、カナダ、メキシコのほか、ヨーロッパ各地を定期ツアーで訪問するいっぽう、日本・韓国・中国などのアジア地区にも年4〜5回のペースでショーやレクチャーで巡回訪問している。これまでに45ヵ国で活躍しており、海外で「最も有名な日本人マジシャン」として認識されている。オリジナルマジック開発でも活躍中。いっこく堂とは2006年のヨーロッパ公演以来、度々共演をしてきた。

さて、2017年の夢のコラボレーション、ミシガン公演のスタート。

パフォーマンス開始前に映し出されたスライドでいっこく堂は、日本と他の国の文化について「違いがある。直接行ってみないと分からないことって結構ある。一概に『違う』とは言えない」と語る。また、「いろいろな国に行って、特に貧しい子どもたちに見せたい。そのためには世界で認められたい。そうでなくては成立しないですから」と海外での活動についての抱負を表していた。

子連れのファミリーから中高年のグループまで、世代を超えた老若男女が続々に席についた。アメリカ人の姿もちらほら。設けられた子ども用の特別席の周辺に限らず、会場にはワクワク感が広がっていることが伝わってきた。

IMG_4154パフォーマンスはマジックで幕開け。まずは棒とハンカチというマジックの定番だが、英語と日本語を混ぜたトークもネイティブ並みの流暢さで淀みなく、そのマジックは実にスピーディーでスムーズな技の連続で、何が起こったのかも分からないほど。最前列の観客とは1メートルほどの距離であったが、ペンのキャップが手の指先を移動する技では、手の裏側も見せてくれた。まさに「種も仕掛けもない」テクニックのすごさを見せつけた。17歳でコンペティション直前に利き手を怪我した折に特訓した御蔭だという両手を使ったカード&コインマジックの技巧には絶句。観客の女性の指輪が1枚のトランプの中から出てきたり、観客の少年をアシスタントにしてロープが切れたり繋がったり輪になったり、観客を巻き込み、マジカルワールドに引き込んでいった。最後は額の絵から本物のハサミやハンカチ、がま口を取り出し、さらに、そのがま口からコインやハサミが出現し、さらには額の中の絵までが別の絵:集人氏自身にチェンジして幕引きとなった。多くの観客が呆然状態だったのか、まばらな拍手が上がりはじめ、その後、大きな拍手へと変わった。

緒川氏よりステージを引き継いだ「いっこく堂」は、まずは鳥のパペット「サトル」とシャイな「ジョージ」を両腕に登場。2体の人形であるのだが、腹話術による声の差異はもちろん、キャラクターがくっきりと演じ分けられていて、すっかり「トリオ漫才」として成り立っている。途中で、声が入れ替わるストーリー展開になった時点で、「そうだ、腹話術なんだった」と再認識した。唇が1ミリたりとも動かず、声の質が全く別なのが驚異的。テレビ番組などでおなじみのパペット「師匠」との絶妙なやり取りは、腹話術の芸を離れて、漫才として頂点の域といえる。その後は人形を使わないスタイルを披露。カーナビネタでは、行き先の設定を「Detroit Airport」とアレンジして、ウィンピー(軟弱)バージョンやアーミーバージョンなどコント仕立てで会場の笑いを呼んだ。

唇を閉じても、どんな唇の形にしても自在に発声できるということがピコ太郎の「Pen-Pineapple-Apple-Pen」を、ペンを歯にくわえて歌ってみせたことで証明された。松山千春など歌手のものまねでは抜群の歌唱力を発揮。“What a wonderful world”が始まると、会場のあちらこちらで感嘆の声が上がった。圧巻。

衛星中継ネタで、口の動きと声がずれる高度な技を披露した後、「簡単にできますよ」と観客に方法を伝授してくれたが、できた人はいたのだろうか。大半の人は難しさを実感するばかりであったことだろう。

ちなみに今回の米国公演では、日本の歌手のものまねネタの時以外は全て英語でのパフォーマンス。本人曰く、「ネタは

公演後、インタビューの機会をいただいたが、いっこく堂は、「やりやすいお客さんたちでした。」と笑顔で第一声。今回の北米ツアーで、既にバンクーバー(カナダ)、サンノセ、ロサンゼルス、ニュージャージー、ニューヨークを1週間で転々とし、お疲れにも拘らず、快く丁寧に話をしてくださった。

Q: ほぼ英語だったので驚きました。

その国の言語で公演を行なっているとのことですが、何ヵ国の言語で?

A: 韓国語、中国語、ドイツ語・・・(指を折りながら数えて)、七ヵ国語ですね。

(ネタを)丸暗記なんですよ。今回は、ものまねの日本の歌以外は全部英語でいこうと思いました。

Q: 英語の発音を非常によく研鑽していることは今日の公演を拝見して分かりましたが、アメリカ人の笑いのツボや傾向についても研究していらっしゃるのですか?  

A: ネタは基本同じです。ヨーロッパでもそうでしたが、日本の人よりも、初めてパフォーマンスに接した人の方が認めてくれます。日本人は、疑うところから ――どれ程なんだろうって感じで、唇をじっと凝視しながら見ている人が多いのですが、外国の人は楽しんでくれますね。ラスベガスでも、面白ければ、「おー、いいじゃない」と評価してくれます。

Q: ぶしつけですが、外国で、ツボを外しちゃったなという感触を持ったことは?

A: んー、そんなに無いですね。動きの部分とかで笑いがとれて、笑いのツボは関係ないですね。間を楽しんでくれますね。リアクションは日本と一緒です。

Q: 生の芸で、今日などもステージから客席の反応がすっかり見えるわけですが、相手の心をつかむコツや心がけていらっしゃることは?

A: 人と接するのと同じで、まずは「怪しい者ではない」ということを見せなくちゃいけないんで、まずは笑顔ですね。作り笑いではなくて、心から笑顔になれた日はツカミも良いです。体調もあって、そうじゃない日もあるんですよ。それは自分の問題だなって思うんです。自分も心から楽しんで、お客さんのことを考える・・・これが基本ですね。例えば、照明が倒れたりといったアクシデントがあっても、それをうまく笑いに替えられるようなことですね。英語での対処の仕方も習ったりしています。

Q: 今日の観客の反応は?

A: いやあ、良かったです!

リポーター: レベルの高いパフォーマンスを心から楽しませていただきました。

ミシガンを開催地に入れていただき、ありがとうございました!

両氏ともに、言語の違いを超えて共通の驚きや楽しさを与えているからこそ、世界各国の観客を魅了しファンを増やしているであろう。今回、見逃した方々、ぜひぜひ、世界を感動、驚愕させた圧巻の技を、そしてまだ進化し続けているスーパーエンターテイメントをご覧あれ。

緒川集人氏は特定のベース(パフォーマンス会場)を持つことなくフリーで、ハリウッドを拠点に海外を飛び回っている。日本でも近々数回の出演が決まっている。

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