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喧喧諤諤 第177回:今こそアンガーマネージメント
掲載日:2017.11.14 | 喧喧諤諤

とり年の今年も残り2ヶ月を切りました。昨年は「サル者は追わず」のさる年でしたが、今年は「立つトリ跡を濁さず」でせめて自分の周りだけでも水を濁さず綺麗なまま年を越せるでしょうか?

先月末のミシガンは気温が急降下して木々の葉が一気に秋色に染まり、朝晩は暖房なしではちょっと辛い時節となりました。お子さんと一緒にハロウィーンの近所回りをされた親御さん達は寒い中ご苦労様でした。つるべ落としの秋の日は午後7時前に暗くなり、今月最初の週末に夏時間から冬時間に変わると同時に更に日が短くなりました。朝の通勤・通学時は日が昇って少し明るくなりましたが、それもしばしのこと。年末ホリデー・シーズンに向かうと共にまたまた暗い時間から一日のスタート、午後5時には真っ暗となりますね。さて、先月は割愛したスポーツの話題です。

プロ野球プレイオフでは日米共究極の王座を賭けて日本シリーズは福岡ソフトバンクホークス対横浜DeNAベイスターズ、ワールドシリーズはロスアンゼルス・ドジャース対ヒューストン・アストロズ。連覇を狙っていた広島東洋カープとシカゴ・カブスは一歩及ばず、アストロズと共に本命・対抗と目されていたクリーブランド・インディアンズもALDS(アメリカンリーグ・ディビジョンシリーズ)ワイルドカードから奇跡的に勝ち上がったニューヨーク・ヤンキースに足を掬われ、2連勝からまさかの3連敗で昨年の雪辱ならず。レギュラーシーズンと違って本当に短期決戦はちょっとした事で展開が変わり、予想が難しいですね。運・不運もありますが、昨シーズン終了後、2枚看板のデレク・ジーターとアレックス・ロドリゲス両選手が抜け、今年は世代交代とチーム再建の年と下馬評では圧倒的に不利なアンダードッグ・チームがその時の勢い(英語ではモメンタムと言います)に勝る下克上でリーグ決定戦まで勝ち進みました。今シーズン好・不調の波が大きく不安定だったマー君こと田中投手が絶対負けられない試合で2度も圧巻の投球を見せ、あの高校野球甲子園大会以来使われている愛称『マー君』と呼ぶのを躊躇う程の貫禄と風格を感じました。本号発行時には日米共新たなチャンピオンが決まっている筈ですが、ダルビッシュ、前田両投手所属のドジャースか、地元タイガースからトレード期限ぎりぎりで移籍したバーランダー投手所属のアストロズか、結果は如何に?

また前書きが長くなってしまいましたが、今月号のテーマは『今こそアンガーマネージメント』です。

数年前に同名の映画やTVドラマシリーズもありましたが、怒りの感情を抑制・管理・コントロールする事で専門的なセラピー(心理療法)や手法も含まれます。怒りに任せて事件・事故を起こした犯罪者や違反者の更生、社会復帰、精神的ストレス症に悩む人達への手助けもあります。

インターネットの多岐にわたる急速な普及でますます高速化、複雑化する現代社会。通勤・通学などの移動も含めて、会社、学校、家庭でも程度と頻度の差こそあれ、何かと腹の立つ事がありますよね。その怒りの感情を生のままで他人や物にぶつけて無用な波風を立てないように上手にコントロールし、ネガティブな怒りの輪を周りに拡散・伝染しないようにするのが狙いです。

誤解がないように言いますと、決して怒ってはいけないと言っている訳ではありません。正当な(これが当事者にとっては微妙ですが)理由があって、怒っても良い場合、怒らなければいけない場合は怒って良いのです。但し、「上手に怒る」、「後に悔いを残さないように怒る」のが重要です。各種法律やルール、常識、社会通念からしてどう見ても非合法、規則違反、理不尽な事には当然怒って良い、怒らねばならないのです。

所謂「キレテ」他人や事物に危害を及ぼしたり不快な思いをさせる事を避けるためです。例として、先日日本で新聞やメディアを騒がせたロード・レイジ(道路上での激怒・激高)やスポーツ観戦でのスタジアムまたはパーキング・レイジがあります。ご存知の如く、前者は高速道路のSA(サービスエリア)で進路を塞ぐように止まっていた車のドライバーに注意したところ、逆切れしてSAを出た後しつこく追い掛け回し、煽り運転と割り込み、ノロノロ運転などの嫌がらせを繰り返した後、追い越し車線で鼻先に車を止め、仕方なく車を止めたところに後ろからトラックが突っ込み、運悪く全く罪のない老夫婦が亡くなられ、お嬢さん達が怪我をする悲惨な事故(事件)がありました。当事者のキレタ運転手はその少し前にも一般道で死者こそ出なかったものの、似た様な事件を2件起こしており、常習犯的存在であった由。事故後の取材でも自分を正当化し、自己弁護するようなコメントで全く反省の色が感じられず、某大統領のように自分の非を認めない、自分が悪くても反省して悔い改めない人達です。

一方米国では、会社や各種イベント、運転中や歩行中通りすがりの銃撃、乱射事件は常態化しているのはご承知の通りですが、野球やフットボールの試合観戦に出掛けた人がスタジアムや駐車場でライバルチームを過激に応援するファンに絡まれ、挙句の果てに殴られたり蹴られたりして意識不明の重体というニュースもありました。楽しみに出掛けた先でこの受難。ご家族やご友人など関係者のお気持ちを思うとやり切れません。

また、最近特に気掛かりなのは、高速道路でも一般道路でも車の運転をしているかなり

多くの人が携帯電話で話しながら速度制限を無視して大幅なスピード違反をして法定速度を遵守している車を邪魔者扱いしている事です。『走る凶器』である車の運転に

集中しておらず、すれ違う際や同方向に向かう際に事故を起こさないかと心配になり

ます。運転中に何を急いで電話しなければならないのか、そんなに一刻を争う大事な事なら家や会社を出る前に電話を済ませてから外出すれば良いことで、安易にながら運転されては他の車が迷惑です。こちらが青信号で相手側が赤信号や一時停止の時も車が突っ込んで来る可能性があり、今まで以上に防御運転を心掛けざるを得ません。どちらが悪い云々の問題ではなく、こちらが正しくても事故に巻き込まれて後遺症が残る大怪我や命を落としては何にもなりませんからね。運転中のテキスティングなどはもっての外で論外です。

こう言う時代に生きる我々は、今こそアンガーマネージメントに真剣に取り組まねばなりません。専門家のセラピー、指導を受けなくても、日頃から自分達で小さな怒りの感情を直ぐに面に表さない努力を続けて行けば、少しずつでもコントロール出来る怒りの程度や頻度を改善出来る筈です。昔から言われている「怒りたい場面になったら、先ず10数える」の教えがあります。覚えるのは簡単でも実践するのは難しいですが、根気良く努力を続ければ怒りに対する耐性が着実に強化され、大きな怒りの爆発を抑制出来ると思います。

私も含めて皆さん『今こそアンガーマネージメント』です。他にも何か名案・妙案があれば、是非ご教示下さい。

執筆者紹介:小久保陽三

Premia Partners, LLC (プレミア・パートナーズ・エルエルシー) パートナー。主に北米進出の日系企業向け経営・人事関連コンサルタント業務に従事。慶応義塾大学経済学部卒。愛知県の自動車関連部品・工業用品メーカーに入社後、化成品営業、社長室、総合開発室、米国ニューヨークの子会社、経営企画室、製品開発部、海外事業室、デトロイトの北米事業統括会社、中西部の合弁会社、WIN Advisory Group, Inc.勤務を経て現在に至る。外国企業との合弁契約、技術導入・援助契約、海外現地法人設立・立ち上げ・運営、人事問題取扱い経験豊富。06年7月より本紙に寄稿中。JBSD個人会員。

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