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元なでしこジャパン 山口麻美氏を迎えて講演会
掲載日:2017.04.11 | JSDレポート, イベントレポート

DSC_3917デトロイトりんご会 補習授業校 りんごハウス特別企画

アメリカとスウェーデンでの豊富な経験や、怪我からの復帰の道のりをもとに子どもたちにエール

デトロイト補習授業校では理事運営委員会が主催し、中高生・保護者ボランティアとともに準備・運営する、「放課後活動の体験」、「工作・製作を楽しむ場の提供」を目的とした『りんごハウス』を企画・開催している。補習授業校ならではといえるが、父親たちも積極的に携わり、各々の技術や才能、人脈を活かして様々な企画を実施してきた。

2月末のりんごハウスでは「割箸鉄砲作り」を開催し、50名以上の子どもたちが参加。子どもたちは割箸と輪ゴムを使って割箸鉄砲を製作した後、それを使って実際に的当てもして楽しんだとのこと。

2016年度の最終回となった3月4日のりんごハウスでは、特別企画として、元なでしこジャパンの山口麻美氏を迎えて講演会を開催した。講演は、山口麻美氏と懇意で、今回の企画の橋渡しをつとめた高橋亮氏とのトークショースタイルで行なわれ、聴講者に質問を投げかけたり、質問を受けたり、オープンな雰囲気で進められた。補習授業校のサッカースクールでサッカーを習っている子ども達が多く集まり、大人たちもサッカーファンが多いと見え、一般的にはあまり周知されていないような質問にも正解が続出した。サイン・握手会の時間も設けられ、貴重な機会を楽しむ姿が見られた。

山口麻美さんは、1 9 9 9年に日テレ・メニーナ入団。3年後、日本女子サッカーで最強の日テレ・ベレーザに昇格し、2 シーズン目には 18 試合 9 得点の活躍をおさめた。2005年に日テレを退団しフロリダ州立大学に留学しサッカー部に入部。その間、2007年ユニバーシアードに出場する日本代表に選出。また、北京五輪アジア最終予選に向けた日本代表のアメリカ遠征メンバーに初召集され、アメリカ戦で代表デビューを飾った。一方、米国大学女子サッカーリーグでは 24 得点 18 アシストを記録し、フロリダ州立大創設初のハーマン杯を受賞。2008年にスウェーデンへ渡り、名門ウメオIKに入団し女子スウェーデンカップ、UEFA女子カップに出場、在籍中2度のリーグ優勝を経験、という輝かしい経歴をもっている。

ハーマン杯は米大学サッカーの年間最優秀選手に贈られるもので、日本人初の快挙。講演中、高橋氏より、それがいかに非常な名誉であるかという解説に加えて、引退した今も“レジェンド”と呼ばれおり、また、フロリダ州立大学内のアスリート殿堂入り記念館に彼女のコーナーがあり、ユニホームなどが展示されていることも紹介した。山口麻美さんからは、生い立ちや、海外での経験談、そして怪我からの再起についてなど、スライドを映しながら盛りだくさんの話が披露された。高校生でリーグサッカーに入団したために、帰りが夜中になることもあったが、サッカーだけと思われたくなくて勉強もやった。トップを目指していて、サッカーのためなら頑張れたと話す。

DSC_3861世界で活躍する選手になりたくて、その為には一流のプレーヤーの中で・・・と考え、高校卒業後すぐに、子どもの頃から憧れていたアメリカに留学。言葉の壁、文化の違い、そしてフィジカルの壁に直面。勉強ができないとサッカーができない条件であったため、授業を録音して家庭教師と勉強した。勉強とサッカーだけの毎日であったと苦労を話した。2 年ほど経って話せるようになってからは自分からチームメートとコミュニケーションを取るようにしたという。

その後、世界トップクラスのスウェーデンのチームに移籍し、リーグでの優勝、超一流選手とのプレー、3万人の観客の前でのプレーなど、貴重な経験を重ねた後、アメリカのチームに移籍。人脈やオファーを活かして活躍の場を築いてきたことが伝えられた。

IMG_5778話は2011年のワールドカップに移る。予選には出場したものの本大会では外された、その時の心境を、言葉では表さず、他の選手たちの失望の場面を集めた映像を通して示した。その直後には怪我をして繰り返し手術。さらに原因不明の怪我が重なり、一度はサッカーを辞めたという。2年半もの長いリハビリ生活の後にベレーザに復帰し、出場後いきなり得点。その後ベレーザは皇后杯で優勝。「諦めなくて本当に良かった」「怪我のおかげで、リハビリの場での出会いもあった。素晴らしい人と出会え、学ばせていただいた」と語った。

選手引退後、アメリカに戻ってフロリダ大学を昨年卒業した。目標を成し遂げる彼女の精神力に脱帽する。現在はニューヨークを拠点に、サッカーだけでなく、いろいろな仕事をしている。「仕事の場でも世界で活躍したい」との抱負を語った。

最後に、「辛いことやいろんなことがあったが、キーワードは“ ポジティブ”

“行動力”。どんな局面でもポジティブに捉えて。必ず良いことがある」と、経験に基づいた、強く、そして暖かいエールを贈ってくれた。重くストレートに響くメッセージであった。

全写真提供:デトロイトりんご会補習授業校

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