ようやくミシガンにも春の兆しが見えてきました。ミシガンで暮らしていると本当に春の到来がこのうえもなく喜ばしく感じられるものです。“春”と聞くだけで心がわくわく、心身ともに爽快さを感じるという方も多いのではないでしょうか。しかし、ミシガンの春夏は多事多端な時期でもあり、心に焦りを感じる時期だとおっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「あれもやらなきゃ、これもやらないきゃ」とそんな心のつぶやきがまとわりつくもののなかなか物事に手が付けられないという経験はないでしょうか。例えば、今の時期、確定申告の締め切りがもうすぐだとはわかってはいるもののなかなか重い腰を上げられない、または、車の整備や庭の手入れなどやるべきことを先延ばしにしてしまうなんてことはありませんか?

「もっと時間があるときに」「もっと天気がよいときに」「もっとエネルギーがあるときに」などと私達の多くがまるで“後で”という言葉が物事を楽々こなせる魔法の呪文かのように唱えてしまうことはないでしょうか。しかし、実際には、物事を先送りにしてしまう事で得をすることは少なく、対応の遅れのため、必要以上な大変な対応に追われることになったり、不快な問題が立ち現れる可能性が多くなってしまうものです。

「早くやらなきゃ」と常時心に無用なプレッシャーを感じるより、即座にやり終えた方が自己にとり最適であると承知しているのにもかかわらず、私達の多くが自宜にかなった対応をしないのはどうしてなのでしょう。「人間の心理というのは本来不合理なものなんだ~」なんて言ってしまえばそれまでですが、時として、物事を先送りにしてしまう心理的要因を探求する必要があるのではないでしょうか。

必要性の高い状況としては、次のような場合があげられるでしょう。

• 日常生活において物事を頻繁に先送りするため、多々大切な機会を逃してしまう。また、様々な締切り・期限に間に合わなくなり、罰則や延滞料金を負うことがたびたびある。

• 学校や職場などにおいて、“先送り”が仇となり、単位を落してしまったり、業務に差しさわりが発生してしまったりと落第や退学、降格や解雇などの危機状態に自己をさらしてしまっている場合。

• 社交面において、常に人への返答が曖昧、また、先送りするがゆえ、人間関係に不和が生じてしまい、孤立化や人間関係の揉め事がつきない場合。

上記の例にあるように先送り行為が慢性化してしまったため、それが自己の人生に壊滅的な影響を与える行為に変容しまった場合、「私は意志力が弱いから」

「自分は自制心に欠けているからだ」「自分は怠け者だから仕方がない」「なんだかわからないけど、やる気が出ないんだもん」などと簡単にかたづけてしまうのではなく、なぜいつも自分は物事を先送りしてしまうのかという、先送りの陰に隠れ潜んでいる心理的問題を見極めることが大切となるでしょう。

広く知られた心理問題として;

• 恐れ

失敗への恐れから、常に自己に対し、「遅れてしまったのだから、仕方がない」などの様々な言い訳を与え、物事を先送りすることにより失敗を回避し安堵につく。その反対に、成功への恐れを感じる。成功するということが自己にとり未知の領域なため、または、もし成功したら自分への期待や要求が増えるのではないかという不安から、先送り行為により自らの成功を妨害するなどがその要因となる。

• 心配、不安

「自分には絶対無理だ」と自分の才能・能力を最小限に評価しているゆえに物事をとにかく先送りする。何事に対しても心が不安感で圧倒されるため、意志力決定能力が鈍り、言動をとることが困難となり、つい先送りしてしまう。プレッシャーやストレスなど欲求不満に対する耐性が低く、優柔不断となり、先送りする。

• 抑圧された感情/思考/記憶

怒りや痛みなどの感情が先送りの裏に潜んでおり、それらの感情が抵抗・反抗という受動的攻撃行為とし、先送りという形で表面化。また、過去の経験などから、義務・責務や外部からの要望をコントロールと解釈してしまうゆえ、誰かにコントロールされるものかと物事を先送りにする。

• 完全主義

自分や他人に対し、とても高い基準・非現実的な期待を持つ傾向にあるゆえ、自分自身を不満足な状態にもっていくことから逃れるため、物事を先送りにする。

• 対人恐怖

人のつきあいが苦手、人とのつきあいに不信感、恐怖を感じるなど社会恐怖症を抱えている。

先送りの裏にある心理的な問題としてこの他にも様々な要因が考えられますが、多くの場合、自己の意識下、意識上でうつ、不安症などの精神疾患を抱えている場合がよくみられます。

“先延ばし、先送り”というのは多かれ少なかれ私達の多くが抱える普遍的な心理的課題です。私達の多くが不愉快な作業ややっかいな雑務を先延ばしてしまう傾向があるものです。しかし、先送りという行為が大きな惨事や混乱を招いてしまっている場合、自己が抱えている心理的問題を把握し、その克服に取り組むことが大切でしょう。先送り慢性化防止のために、自分でいろいろ工夫をし、その対策を考えてみるのも一つの方法ですが、家族や友人、または、プロの助けをかり、自己が抱える心理的問題に取り組むことが大切となる場合があるでしょう。もしかして先送り症候群かしらと感じる場合、また、そのような方が周りにいらっしゃる場合、今以上に 人生が複雑に絡み合ってしまわないよう、自宜に適切な対応を施してみてはいかがでしょうか。

こあきバイヤーズドルフ

Lifescape Counseling LLC のオーナー、メンタルヘルスカウンセラー、クロスカルチャーコンサルタント。日本語にて様々な心のケアサービスを提供。

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