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帰国生入試情報:帰国生の中学・高校選びQ&A
掲載日:2013.02.11 | 生活

~受験生と保護者の疑問にお答えします。

  帰国生が学校選択をする条件は様々です。「帰国生受け入れ校はどこか。」、「受け入れ条件(たとえば海外在住期間や現地校での在籍期間、帰国後の住所など)は何か。」、「どのような選考方法(書類審査や入学試験など)なのか。」、「入学後に勉強についていけるのかどうか。」、「学校生活になじめるのか。」、「英語力を保持することができるのか。」などのほかにもまだまだ挙げることができるでしょう。ここでは、帰国後の学校選びでよくある質問にお答えしましょう。

帰国生受け入れ校にはどのような配慮があるのですか。

  帰国生受け入れ校は入試や授業、学校生活などにおいて帰国生に対する配慮を行っていますが、実態は学校によって様々です。東京学芸大学附属国際中等教育学校、南山国際、同志社国際、関西学院千里国際の各中学・高校は、長期にわたる海外滞在のため、教科学習などの遅延や日本語力の低下の目立つ生徒の指導を図る目的と、帰国生の指導を研究的に進める目的を持っています。また、国際基督教大学高校は帰国生受け入れを主たる目的として設立された学校です。これらの学校では、入試や授業、学校生活などの面において帰国生受け入れのための配慮がされています。また、成蹊、攻玉社、実践女子学園、東京女学館などのように国際学級を設置する中学・高校でも、同様な配慮がされていると言えるでしょう。

  その他の帰国生を受け入れ校の多くでは、帰国生の定員枠を設けたり国内生とは異なる試験を課したりという入試における配慮をしているだけというケースも目立ちます。一方で、国内生と同一の入試を行う学校もあります。また、授業においては、英語の実力に応じて通常とは異なるレベルの授業(取出し授業)を行ったり、日本語力や学習進度に応じて国語や社会の補習を行ったりする学校もあります。しかし、入学後は国内生と全く同じで特別な対応はしないという学校もあります。その一方で学校生活においては、カウンセラーによる相談体制があるとか、茶華道や武道などの日本の文化を体験できる機会を積極的に設け、帰国生を大切にしている学校もあります。

帰国生入試では現地校の成績がどのくらい影響するのですか。

  帰国生入試では現地校の成績証明書が合否に与える影響は学校によって様々です。しかし、ほとんどの学校で提出が必須です。評価方法や受講教科が国や州によって異なり公平に比較できないために、合否判定においてそのまま利用されるようなことはありません。ただし、評定平均値(米国ではGPA)をパーセンテージに換算して判定するケースもあります。例えば、GPAの満点値4に対して3.2であれば80%とし、この数値を合否判定に加味するのです。このような学校はごく少数ですが、多くの学校で面接時の参考資料として利用されています。現地校で学習した内容、得意科目や苦手科目に関して質問されますので、自分の受講教科や成績を把握しておく必要があります。

  また、英語力が向上した場合には入試の際にメリットがあります。例えば高校入試では、英検準1級以上の合格やTOEFL iBTのスコア79以上があると、書類審査と面接のみで合格できる学校がありますし、英語の試験を免除してくれる学校もあります。さらに奨学金授与の条件としている学校もあります。そして、学力試験においても高得点を上げることができますので有利でしょう。中学入試でも英語の学力試験を課したり、英語力があると有利になる学校もあります。一方で英語圏からの帰国生は英語ができて当たり前とみられる一面も否めませんので、英語力の向上に励んでほしいですね。

日本の学校を選択する条件として大切なことは何ですか。

  日本の学校では体育祭、文化祭、そして修学旅行などをはじめとする様々な行事が実施されます。このほかにも自然を体験するキャンプや海外での語学研修、スキーやマリーンスポーツなどを体験するスポーツ合宿など、各学校で多様な行事が行われています。これは、学校教育では知育・徳育・体育の三本柱を育むことが重要であるという考えに基づいているからです。さらに公立小中学校では給食が導入され、食育も実践されており、栄養バランスを考えた食事を提供することのみならず、食事中のマナーの指導や児童・、生徒による配膳も行っています。また、清掃指導や礼儀や作法を指導しているのも徳育を実践する日本の学校の特長です。

  ただし、米国の学校生活を経験した子どもの中には、このような日本の学校のシステムに違和感を覚える子どもも目立ちます。例えば、床を雑巾で拭くことやトイレの掃除を嫌がったり、授業中の姿勢やお辞儀の仕方、手の挙げ方などまで指導されることを疑問に感じたりすることもあり、楽しいはずの学校行事も、事前の練習の厳しさや事前準備の忙しさ、団体行動時の規制の多さなどに音を上げることもあるようです。

  帰国後の学校選択の条件として、進学実績やカリキュラムの充実度など学力面を重視する傾向が強いのは当然とも言えますが、学校行事や学校の指導方針を把握し、それらが子どもに合っているかどうかを見極めることも大切です。それは、学校生活そのものを楽しめないと、教科の学習にも身が入らないからです。

  各校の行事や教育方針などは学校案内に掲載されていますし、学校訪問をすれば詳しく説明してもらえます。また、在校生や卒業生の生の声をまとめた情報誌なども参考にするとよいでしょう。帰国生の生活面でのサポートもきめ細かく行っている学校は、困ったことや悩みを相談できるのでお勧めです。

入学先はどのように探せばよいでしょうか。

  学校選びのために最初に手掛けたいのが志望校選定のための情報収集です。志望理由には様々なポイントがありますが、大切なのは子ども自身がその学校に入学して満足できるかどうかを見極めることです。帰国生受け入れ校であっても、入学後は国内生と同様に扱う学校も多いので注意が必要です。学力レベルの高い学校では授業についていけないという問題が生じます。また、海外で育った子どもは日本特有の校風になじめないこともあります。カリキュラムや授業の特徴、学校生活の様子などを確認することが重要です。それには各学校のウェブサイトやパンフレットが参考になりますし、海外子女教育振興財団やフレンズ帰国生母の会などの編集した情報誌も役立ちます。一方で、実際に学校を訪問して自分の目で見て確認することも重要です。文章や画像では判断できない雰囲気を感じることができるからです。

  志望校が決まったら、次は入試情報の収集です。出願条件をクリアしているか、どんな書類が必要か、入試ではどんな科目が課されるかなどを確認しましょう。過去の入試問題を入手して解いてみることも大切です。入試に関する情報は、志望校のウェブサイトや募集要項にて確認できますが、海外の学習塾(JOBAやena、日能研、Sapixなど)の情報誌にも掲載されています。また、学校の担当の先生に直接質問することも重要です。5~6月は日本の学校が米国各地を訪れ、説明会や相談会が行われます。また、日本では5~7月にかけて学校説明会や相談会が目白押しです。このような機会がないときは電話でもE-mailで問い合わせれば答えていただけます。

日本の高校卒業後の大学進学について教えてください。

   私立大の多くでは米国の高校を卒業しなくても、帰国後1~2年以内ならば帰国生大学入試を受験することができます。慶應義塾大でも経済・商学部では海外の高校に2年以上、経済・法学部では中高通じて4年以上在籍していれば受験可能です。また、青山学院大や上智大、明治大などは、海外の小学校や中学校に一定期間在籍していれば、日本の高校に3年間在籍したとしても帰国生大学入試が受験できます。一方で、ほとんどの国公立大が海外の高校卒業を受験資格としていますし、私立大でも早稲田大や慶應義塾大の上記の学部以外などは同様です

  系列大学のない中学や高校に入学した場合や系列大学があっても内部進学が100%でなければ、高校卒業後には大学入試が待っています。個人差はありますが、帰国後に日本語での学力が伸び悩み、一般入試で受験するような実力に到達しないというケースもあるでしょう。そんな場合に帰国生入試で受験できる大学があることは心強いと思います。また、大学入試には推薦入試の他にもAO(アドミッションオフィス)入試という書類選考重視の入試を実施する大学も目立ちます。一方、一般入試においても英語のみを課す大学や英語の配点ウエイトの大きい大学がありますし、私立大文系学部では英語が合否の決め手とも言われています。

  このように海外生活での経験や磨き上げた英語力は、帰国後の大学入試にも奏功します。滞在期間の1日1日を大切に過ごしてほしいですね。

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